第28回FreeBSD勉強会でJailについて講演しました。
CTOの浅川です。
2014年4月18日 麹町のKDDIウェブコミュニケーションズ会議室に於きまして
第28回FreeBSD勉強会でJailについて講演しました。
FreeBSD勉強会は、
BSDコンサルティング株式会社
株式会社KDDIウェブコミュニケーションズ
株式会社技術評論社
有限会社オングス
様の協力で、ほぼ毎月行っている勉強会です。
通常は、FreeBSD界では有名な重鎮のオングスの後藤大地さんが講師を努めていらしゃるのですが。
今回は、FreeBSDのJailを使ってサーバ構築運用を行ってる珍しい?会社として講演させていただきました。
事前の申し込みは42名でしたが
実際には60名も参加者が居てビビりました。
このブログに、講演内容を記載はしませんが
弊社では、FreeBSDというOSを使って、サービスを行っています。
たぶん、LinuxというOSの名前を聞いたことがある人は多いでしょうけどFreeBSDという名前を聞いたことは少ないかもしれません。
多分、いま一番身近なのは、MAC OS Xが、FreeBSDの成果の一部を利用しています。
YahooさんがFreeBSDを利用しているのは有名です。
また、PlayStation のOSはFreeBSDです。
FreeBSDの”Free”は、無償という意味ではなく、”自由”という意味です。
LinuxもFreeなOSなのですが、実際には、GPLという縛りがあります。
FreeBSDは、FreeBSDを使っていることを公表する義務も改造して商品化し、自分で改善したことを、非公開にする事もふくめて、完全に”自由”なOSなのです。
この自由さがあるおかげで、ルータなどネットワーク機器に密かに使われています。
ネットワーク機器は、ノウハウの塊なので、ソースの公開なんかできないのですが、仮にLinuxをつかったら公開せざる負えなくなります。
弊社は、FreeBSDをそのままOSとして使っているだけですが、最初にFreeBSDを選択したのは当時は(たぶん今でも)Linuxよりも高負荷に強いという特徴が、あったからです。
その後も継続的にFreeBSDを利用していますが、それは今回の講演のJailという機構があるからです。
クラウドという言葉が最近のトレンドになっていますが、10年前からJailをつかったクラウド・サービスをおこなっています。(当時クラウドなんて言葉はなかったですけど)
今、クラウドサービスと言うと、VMwareや、Xen,KVMなどのハイパーバイザーを利用したものがほとんどなのですが
これ等は、効率が非常に悪いのです。
ハイパーバイザー系は、サーバの中に、仮想のマシンを作成してそこにOSをインストールします。
ところが、FreeBSDのJailの機構は、OSの中に、仮想のOS環境をつくります。
仮想のマシンの場合は、I/Oをエミュレーションします。このとき特にディスクIFとネットワークIFのエミュレーションがサーバ性能の足を引っ張ります。
1バイト書き込む為に、膨大なステップを踏みます。
しかし、Jailの場合は、ディスクの書き込みもネットーワーク出力も親サーバのシステムコールで処理しますので、仮想環境を利用しているというオーバヘッドがほぼ0です。
この様な仕組みで、お客様間のセキュリティを担保しながらサーバ提供をおこなっています。