【発注者向け】Webシステムを発注したらテストでエラい目に遭ったことありませんか?Webシステム開発会社を効果的なハンドリングする5つの質問
Web制作や、システム開発で開発会社にお仕事をお願いした時、こんな経験はありませんか?
「バグだらけだった」
「そもそも基本機能がきちんと動かなかった」
結局のところ、どんなWebシステムでもバグが大なり小なり発生します。それをいかに最小化し、サイトシステムを円滑にリリースさせるかが重要です。
そこでこの記事では、発注主である貴方が、そこそこ規模のあるWeb制作やシステム開発において、いかにシステム開発会社に質の高いテストをさせるかについてまとめました。
システムを良く知らない発注主である貴方でもシステム開発会社を上手く「操縦」出来る様に、Webシステム開発におけるテストのやり方ってそもそもどうなっているのか、また、そのチェックポイントについて解説します。是非、これらを踏まえて効果的に開発会社をマネジメントされてください。そしてこれは当然ブーメランなので、弊社も気をつけたいと思います。
ちなみにそこそこに規模のある、とは、WordPressで名刺のような会社ホームページを作る場合、総発注額100万円以下の規模は含まれない点ご了承下さい。
\Webサイト・システムを開発したプログラマーがとんずらした/
お気軽にお問い合わせください。仕様書がなくても対応します。
ご相談・お問い合わせする
目次
Web制作会社・システム開発会社が社内で行うテストは二種類ある。
そもそものお話として、Webサイトを制作する時、あるいはWebシステムを開発する時、必ずWebシステム開発会社では社内で動作テストを実施します。このテストを経た後、発注主である貴方がテストする(ユーザーテスト)事になります。
Webシステム開発会社がきちんとテストを行う事は、ユーザーテストをする上で全ての大前提になります。なので貴方が効果的にテストを行うためには、Webシステム開発会社がきちんとテストを行っているのかチェックを行う必要があります。
Webシステム開発会社が社内で行うテストは大きく分けると以下の二種類があります。
1 プログラマーが自分の開発した機能だけをテストする。
2 直接開発を担当していないプログラマー又はプログラマー以外の担当者がWebサイト(ホームページと同じ意味です)全体をテストする。
ざっくり言うと、システム開発業界では1は「単体テスト」2は「全体テスト」と呼ばれています。
これをきちんとする事によって、貴方のテストも円滑になり、本番リリース後のバグも減る可能性が高いです。それではWebシステム開発会社に、これらテストをしっかりやって貰うためにはどうしたら良いのでしょう。
Webシステム開発会社に五つの質問をしよう!
もし貴方が会員制などのちょっとシステム開発が濃い目のWebサイトを開発会社に発注する場合は、以下の五つの質問を開発会社に必ずしましょう。それによってシステム開発会社のテスト品質を多少なりとも上げる事が出来ます。
1 「単体テストは行いますよね?」
2 「全体テストは開発してないプログラマーが担当しますよね?」
3 「何人くらいで全体テストをするんですか?」
4 「全体テストのテスターは完全なモンキーではなく、事前説明をした上で行いますよね?」
5 「テスト仕様書は作りますか?」
です。
実はこの質問は、する事自体に意味があります(重要)。
この五つの質問と意図について、以下解説します。
「単体テストは行いますよね?」
これは前述した通り、開発担当者が自分の開発箇所のテストをきちんとするんですよね、と言う確認で、いわば当たり前の確認です。ほぼ100%Web制作会社・システム開発会社は「はい、やります」と言います。
当然ですが、自分で開発した機能を自分で動作確認しないプログラマーはいません(例外いますが)。なのにどうしてこんな簡単な、わかりきった質問をするのかというと、実は発注主である貴方が「単体テスト」と言う言葉を使う事自体に意味があります。
「単体テスト」というのはシステム開発業界では普通ですが、発注主の一般企業はあまり知りません、という事をシステム開発会社は知っています。
なので、「単体テストはしますよね?」と聞かれると「あれ、この会社、システム開発を結構分かってるのかな?」と思わせることが出来る、という事なのです。油断させないようにする上で大事な事なので、この単語を使ってWebシステム開発会社に軽く圧をかけましょう。
「全体テストは開発してないプログラマーが担当しますよね?」
全体テストはWebサイト(ホームページ)全体としての機能のテストです。また全体テストは、直接開発を担当したプログラマーが行わない方がモアベターなのは業界の中では常識となっています。
しかし、時間が無かったり予算がタイトだったり等で、開発担当者「も」テスターとしてテストを行う場合もままあり得ます。なので、開発を担当したプログラマー「も」テストを行うのはありですが、そのプログラマー「しか」行わない場合は危険な兆候と考えて良いでしょう。テストの品質を上げる上で大事な要素になりますので、きちんと確認するようにしましょう。
「何人くらいでテストするんですか?」
人数が多い方がテストの品質が上がるのは勿論なのですが、当然予算(発注額)は限られていますので、システム開発会社も無尽蔵にテスターを割り当てる事が出来る訳ではありません。多分に感覚的ですが、発注額100万円以下はせいぜい1名、100万~500万円までは2、3人前後が一つの目安かなと思います。
なので相場的に100万円の開発予算でテスターが1名はまあそうだろうなという感じですが、500万円の開発予算でテスターが1名です、だと明らかにテスターの数は足りません。人数を必ずチェックしましょう。
「全体テストはモンキーテストではなく、担当者に事前説明をした上で行いますよね?」
モンキーテストとは、一般論としては「何も知らないサル(つまり人)がランダムに、思いつきでWebシステムの表や管理画面を触るまくる」というテスト手法の一つです。「テスト仕様書」というドキュメントはあまり作りません。テスターの思いつきでシステムを触り、システムの振る舞いや応答を評価します。予期しないエラーや、バグを発見するために利用されます。
モンキーテストはシステムバグの発見に役立ちますが、テスターのスキルや経験によってテスト結果が大きく異なる傾向があります。
実際のWebサイト制作現場においては、テスト仕様書こそ作りませんが、事前にテスターへ以下の説明をする事がほとんどです。
何も説明をしないでそもそもテストのしようがないからです。普通であれば
- Webサイトのサービス内容、趣旨の説明(どういう目的で作られたサイトなのか、また大きな機能としては何か(例:会員制サイトである。有料コンテンツサイトである、ECサイトである等)
- 機能説明(管理画面で出来る事は何か。どういう機能があるのか)
は事前に説明をします。
このため、Web業界では猿のように知識ゼロで直感で実施する本物の「モンキーテスト」は実はほとんど無く、もう少し「人間に近いモンキーテスト」を実施するケースがほとんどだと理解してください。モンキーテストという言葉もまた、結構この人分かってる感が出て良い感じです。
「テスト仕様書は作りますか?」
基幹系や業務系の規模の大きなシステム開発においては、必ずシステム開発時に「テスト仕様書」というものを作り、それの沿ってソフトウエアテストを行います。これは予算次第で、例えば規模の小さな、WordPressで会社ホームページ制作程度であれば、ほぼ100%テスト仕様書は作らず、上記の「ちょっと賢いモンキーテスト」になります。
一般論として、総発注額が300万円~500万円前後から、テストにあたってのドキュメントを何らかの形(簡易な箇条書きも含む)で社内で用意し、テストを進める事が多いように思います。1千万以上の案件であればかなりの高確率でテスト仕様書を用意します。なので逆にその予算規模無いのはヤバい可能性があります。注意して確認しましょう。
まとめー発注主が行うテストは「バグを見つけるテスト」ではない。
このようにWebシステム開発会社が社内で行うテストを、発注主である貴方がある程度ですがチェックする事が可能ですし、チェックする事によってWebシステム開発会社に「むむ、このお客様分かってるな」と緊張感をもたらす事が出来ます。是非これら5つの質問をしてください。
また発注主である貴方がするテストは「バグを見つけるテスト」ではありません。「バグがないことを念のために確認する」テストです。あまりにバグが多いようであれば、途中でテストを辞め、Webシステム開発会社に「御社内でテストをやり直せ」と突き返してやりましょう。うちも気をつけます(ブーメンラン)。
\既にあるWebサイト・システムを改修したい/
ご安心下さい。仕様書がなくても対応します。
ご相談・お問い合わせする