イヌネコが教えてくれる売れるホームページは主客転倒の法則-電話帳の時代から変わらない本質とは
札幌からほぼ毎週東京に出張行っていますが、最近は東京もすっかり暖かくなり、気温差が段々大きくなってきました。というか、いつも東京とは気温差がある札幌です。また新しいプロジェクトをお手伝いする事になり、気が引き締まります。
さて、先日、私宛に封書でこういうチラシが届きました。
ぱっと見て、すぐにお、っと思ったのですが、実はこのチラシには、営業や経営に役立つホームページ制作にも応用出来る、非常に重要な考え方が含まれています。
それは「全額返金」です。
ただ、気をつけて頂きたいのは、私がここでお話したいのは、今すぐ皆さんも「全額返金キャンペーンをやりましょう!」というような短絡的な事ではありません。
今はどの市場でも商品が溢れており、単なるスペックだけでは顧客は何を買ったら良いのか判断が出来ませんし、心に響きません。
その時、迷っている顧客に対して、明らかに他の類似商品と差別化された強い訴求点があれば、例え他の点が少し劣っていたとしても、御社のその商品を選んでくれます。
このような、他社とは違う点を明確にすること(価値を明確化する)、そしてそれを強く全面に出す(明示的に提示する)、これをマーケティング用語で、USP(Unique Selling Proposition)と言います。
そしてこのUSPをきちんと作って、サイトに掲載していきましょう・・・というのは誰でもそうだよね、というお話だと思います。わざわざこのホームページで読むまでもありませんし、ネットではこのような記事はゴロゴロしています。
今回のお話は、これからがメインディッシュです。世界フィギュアでいうと羽生君登場です。おもしろ荘で言うとブルゾンちえみ登場です。
自社のチラシや、ホームページを見て、改めて、そのようなUSPがあるかどうか、顧客目線で見て下さい。そしてこういう事をやってみたらどうだろう、こんなプラスアルファを掲げてみてはどうだろうか、という事を考え、それを自社の商品やサービスにそのまま反映するのです。
つまり、商品やサービスありきでそれをどうホームページに載せるか、という視点ではなく、ホームページに何をどう載せると、お客さんに響くのか、という事を考え、それを商品やサービスに反映していく、「逆転の発想」で考える、という事です。この方が結果的にはるかに顧客にササる商品やサービスになります。
そして実はこのような考え方は、ネットの無い時代からありました。
その昔、会社やサービスを新規に立ち上げる際、電話帳に出来るだけ目立つように掲載するのは営業上極めて大事な事でした。そのために、社名やサービス名の頭に「あ」のつくようにネーミングする、というのが一つの定番手法だったのです。
なぜなら職業別電話帳は全てのカテゴリで「あ行」からはじまるからです。生活者(昔風に言うと消費者です)は、サービスを調べるとき、かなりの確率で電話帳を見ていた時代です。ぺらっとめくって一番最初にあれば、当然顧客が電話をしてくれる可能性は上がります。今の時代、検索順位で1ページ目に入る事が重要だというのと全く同じです。
どういうネーミングをしたら、検索順位が上に来やすいのか、という観点で会社名や商品名、サービス名を考える。どういうサービスや商品の差別化をホームページで訴えれば、顧客の購入や問い合わせを増やす事が出来るのか、と考え、それを実際に商品に反映していく、これが今の時代にふさわしいホームページ活用戦略です。
主客転倒大歓迎です。逆転の発想を大事にしてください。ホームページの活用は、今ある商品をどうやって掲載するか、という一方通行だけではない使い方が重要です。