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【発注者向け】【2024年完全版】誰かが作ったWebサイト・システムを円滑に他の開発会社に引き継いで貰う時のポイント大全

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最終更新日:2024/10/14   公開日:2024/10/13

Webサイトでサービスを始めたいが、初期の予算が十分になく、やむなくフリーランスや安いシステム開発会社に依頼した。そしてWebサイトが起動に乗りつつある中で、開発したフリーランスのレスポンスが悪くなってきた。質問をしても返事が中々返ってこなくなってしまい、バグもすぐに直してくれず困っている。あるいはもうこれ以上は引き受けられないと言われてしまった。ユーザーからクレームは来るし、新機能も追加したい。しかし現状のシステムの仕様書も無い、一体どうしたらいいのか・・・?

弊社ではこういうご相談をよく受けます。恐らく潜在的に同様の事でお悩みの企業、ベンチャースタートアップはかなり多いのではないかと推察します。そこでこの記事では、誰かが開発したWebサイト・システムを他の開発会社に円滑に引き受けて貰う時のポイントについて、ご説明を差し上げたいと思います。

今そのような状況にあるWebサイト運営企業、ご発注企業様のご参考に少しでもなれば幸いです。こちらでもご相談をうけつけております。

引き継いで貰うWebシステム開発会社を選ぶ時のポイント

まず当然ですが、引き受けて頂けるWebシステム開発会社を探さなくてはなりません。貴方はネットで検索したり、友人知人のつてコネをたどりながら、どうにか開発会社にたどり着きました。そこで考えます。

「この会社、ホントに大丈夫だろうか?ヤバくないよね??」

ここではそこを見極めるためのチェックポイントをお伝えします。

インフラエンジニアはいますか?と尋ねる

まず大事なのは、インフラエンジニアがいるかどうか、です。誰かが作ったWebサイト・システムは、当然どこかのサーバにて動いています。この手のWebサイトシステムが問題になるポイントの一つは、アクセスが集中しているのそれに見合わないレンタルサーバ等で運営していたり(つまり良く落ちる)、フリーランス等誰かが中途半端な知識でAWS等のクラウドに乗っけており、無駄に複雑で高コストなサーバ構成となっている事が少なくありません。要はサーバの設置箇所や構成が合理的ではない事が多いのです。それに起因して様々な問題が発生します。

つまりWebサイトの問題はアプリケーションの問題であると同時に、サーバ構成の問題である事が良くあるのです。これを解決するためには、単にMySQL等のデータベースが分かっています、PHP使えます、Laravelで開発が出来ます、というアプリケーションレベルだけではなく、サーバについて深い知識を持っているインフラエンジニアがいるかどうかが極めて大きな鍵になっています。

規模の小さなWebシステム開発会社では、プログラマーに「ある程度」サーバの知識もあるケースが多く、プログラマーがサーバ管理も担当する事がほとんどです。しかし今回の様な難易度の高いWebシステム開発案件においては、片手間レベルでは力量的に十分とは言えない事が多いです。

なのでWebシステム開発会社を選ぶ際は「御社にインフラエンジには何人いらっしゃいますか?」「サーバ構成でCDNかましたりする事ありますか?」「普段設計時にWebサーバとDBサーバを分離してシステム開発された事はありますか?」「負荷分散は普段どうされてますか?」と訪ねてみると良いでしょう。ここで返ってくる回答の内容は技術的なのでそれほど良く分からなくても、なめらかに解答出来るかどうかを見てください。出来る会社ならきちんとスルスル説明できます。それで大体の経験値が分かると思います。

プログラマーの経験値を尋ねる

これも誰かが開発したWebシステム開発会社を選定する上で、超重要な質問です。大体の場合、Webサイトのシステム仕様書、設計書をきちんと保管している会社はありません。私達の経験上95%の企業がお持ちではありません。多分御社もお持ちじゃないですよね?もし持っていたとしても、きちんと更新をしているでしょうか?恐らくしてないと思います(万が一してたらすいません。貴方は超ラッキーです)。

このような場合、他社のWebシステム開発会社が手を入れる際、多分このディレクトリにこの辺のプログラムがあるのかな、といわば暗闇の中を手探りで進める事になります。当然速度がどうなるかは言うまでもありません。多少走り書きでも何かドキュメントがあれば、懐中電灯くらいの役割にはなりますので、暗闇の中でもある程度の速度で進める事が出来るでしょう。

懐中電灯も無しに洞窟を歩けばどうなるか・・・。

このような極めて難易度の高いシステム開発になる訳ですが、その時に問われるのは担当プログラマーのカンの良さです。大事な事なのでもう一度言います。プログラマーのカンの良さがキーになります。

つまりどういう事かと言うと、熟練したプログラマーになると、「多分この辺のディレクトリにこの手のプログラムを集めているんじゃないか」とか「ここはベタで処理しているから、あっちもベタ書きしてるのでは?」とか「ここは関数化して集中的に管理しているから、あの辺も同じことしてるはずだ」とカンを働かせてシステムを調査・対応する事が出来るという事です。

そしてカンの良く無いプログラマーと良いプログラマーの生産性は3倍~10倍の差が開きます。そしてそのコストは全て依頼主である貴方が負担する事になるのです。カンの良いプログラマーなら半日で調べる事が出来る事を、勘の悪いプログラマーだと普通に1週間かかる事は、全く普通に起こりえます。

ハズレのプログラマーを引かないためにはここをチェックしよう

そのようなハズレプログラマーを引かないためには、どうしたらいいのでしょう?運頼みでは勿論行けません。その策の一つは「経験値を訪ねる」という事です。シンプルですがかなり信憑性の高い方法です。「御社では今まで仕様書のないWebシステムの開発案件を何件くらい行ってきましたか?「最新の事例はいつですか?」「その時何人体制でやりましたか?」「そのサイトを見せていただくことは可能でしょうか?」と聞くと良いでしょう。

運頼みだと、ほとんどの場合はハズレを引く事になります。

また「担当したプログラマーは経験何年くらいですか?」という質問は正直しないよりした方が良いと言う程度です。何故かというと、経歴は長くてもカンの良く無いプログラマーはゴマンといるためです。なので経歴だけではほとんどの場合、判断が出来ません。勿論「現場歴3年です」とかだと「おととい来やがれお前らSES経歴詐欺かよ」なので、そのようなデッドボール対策には質問してもいいと思います。ただ、7,8年です、とか10年ですだけでは全く良いかどうかの判断材料にはなりませんので注意して下さい。単に業歴が長いだけのプログラマーも結構いるからです。

そもそもWebシステム開発会社は、他社システムを引き継ぐのを嫌がる

このような誰かが作ったwebサイト・システムというのは、基本どこのWebシステム開発会社ではやりたがりません。どうしてかと言いますと、そもそも技術的難易度が高く、お客様の期待された結果を出すことが難しいからです。エンジニアの能力が非常に問われる案件ですので、下手にポンコツを割り当てて、1日かかるところが一週間かかりました、という事になると「確かに仕様書もないし難易度は高いと事前に聞いては居たけど、こんなにかかるの?」とお客様からの不満が高まるリスクがそれなりにあるからです。

また、万が一着手して、顧客情報とかが漏洩してしまった場合、直接的に自社の責任じゃなかったとしても、依頼主が激怒して「そうは言っても善管注意義務があったんじゃないのか!?」などと言われた日にはとんだとばっちりになります。そもそもお取引の無い状態からになりますので、相互に信頼関係がまだありません。そういうリスクもWebシステム開発会社としては気になります。触らぬ神にたたり無しです。

また自社の一線級エンジニアを投入するだけの費用を発注して貰えるのか?という問題もあります。能力の高いエンジニアは当然サラリーも高いですから、一番の上得意客に割り当てるのが普通です。ので普通、Webシステム開発会社から見ると「地雷案件」なのではあまり引く受けたがらない傾向があると理解しておいてください。

どこに地雷、罠があるか分からない案件は引き受けたがりません。

依頼する時は現在の開発会社のとの摩擦は極力避けろ

前述した様に、既に開発会社と関係が切れてしまっている、いなくなっている、だと何の問題もありませんが、今もうっすらと前任のフリーランスや、Webシステム開発会社と付き合いがある、という場合も少なくありません。この場合まず大事なのが「他社のWebシステム開発会社に相談している事を知らせるべきか否か?」という事です。結論から言いますと、余程良好な関係では無い限り、しばらく黙っていた方が無難です。

どうしてかというと、「あ、うちを切って他社に頼むつもりだな?」と思った瞬間、Webシステム開発会社が嫌がらせをしてくる可能性があるからです。冗談でしょ?と思うかも知れませんが、本当です。結構うちもそういう目に遭っています。嫌がらせまで露骨ではなくても、対応に別途費用がかかると言う、連絡が中々来ない等、消極的サボタージュは普通に起こりえます。なのでしばらくの間。黙ってた方が無難です。

発注主は法的なリスクを理解する事。

今動いているWebサイト・システムを他社に引き継ぐ時、依頼主であり、Webサイトの所有者である貴方は、一つ覚悟しなければならない事があります。それはWebサイトのシステムで何か問題が起きても、一切システム開発会社に責任を追及する事は出来ない、という事です。

どういう事かと言うと、通常Webシステム開発会社は、お客様からの依頼を受けて、Webサイトを制作し、納品します。これには当然後で何か問題が起こった場合、それが開発会社のミスによって発生した場合、開発会社が責任を取ります。ごく普通の商取引です。

しかし、誰かが作ったWebサイト・システムの場合は全く異なります。そもそも引き継ぐWebシステム開発会社は、そのシステムの仕様の細部や全体像を知りません。自社で開発した訳ではないのですから当たり前です。なのでほとんどの場合、「作業はするが結果責任は負えない。それでもよければやりますよ」という免責条項を契約時に同意するように言ってきます。これに同意できない場合、ほぼ100%どのシステム開発会社も引き受けてはくれません。それはそうです。

例えばシステム開発においては、会員ログイン後のマイページを修正したら、新規会員登録機能が動かなくなり、そのことに誰もしばらく気づかず、ユーザーからの問い合わせで発覚した、という事が当然起こりえます。つまりあちらを直せばこちらが壊れる、という事が普通に起こりえます。まるであちらの水道管を直したらこちらから水が噴き出す、という水もれ甲介状態です(古すぎる)。

例えが古すぎてすいません。画像はAmazonより引用

なので他のWebシステム開発会社に依頼する場合は、「問題が起きた時の法的責任は全て自社にあり、開発会社に帰することは出来ない」という事を肝に銘じましょう。

実は既に自社の責任になっていると言う事も多い

ただ、前述した法的責任は、他社に任せる前の時点で既にそうなっているケースも少なくありません。なぜかというと、「誰かが作ったWebサイト・システム」で良くあるのは、既に何回か様々なWebシステム開発会社やフリーランスに依頼を繰り返してきて今にいたっているケースが多いからです。つまり困ったな、と思っている時点で、既にどの開発会社の責任でも無くなっている、ということは良くあります。なので、新しいWebシステム開発会社に依頼するから起こる、新しい問題、というより、既にそれ以前からそうなっているケースも多々ありますので、実態としては何も変わらないかと思います。

「瑕疵担保責任は取れないですけどいいですか?」と言わないWebシステム開発会社には頼むな

このように誰かが開発したWebサイト・システムの引き継ぎはなかなかデリケートです。こういう相談を新しいWebシステム開発会社にした時、その会社から「お引き受けはしますが、瑕疵担保責任は取れませんがいいでしょうか?」と自ら言ってこないところには、絶対に依頼してはいけません。なぜならその時点でそういう他社が開発したWebシステムを引き継いだ経験値が低いという事を露呈しているからです。

普通に場数を踏んでいるWebシステム開発会社であるならば、この点の法的リスクは当たり前すぎる常識であり、イロハのイです。これを言ってこないという事は、そもそもそういう案件の経験値が極めて低い、又はアンテナ感度の低いWebシステム開発会社だという事を自ら証明しているようなものです。それでなくても通常より遙かに難易度の高い案件なのですから、それでは十分に対応が出来るはずがありません。

なのでシステム開発会社に相談するときは、自社からはその瑕疵担保責任の話しはせず、そのWebシステム開発会社から言い出すかを見極めましょう。これで頼むにふさわしい開発会社か、選別する事が出来ます。

全部作り直すか?だましだましだまし手を入れるか?それが問題だ

さあいよいよ佳境です。こうして新しいWebシステム開発会社に引き継いでもらう事が決まるわけですが、その次の問題がWebサイト・システムを「全部フルリニューアルするか」「だましだまし手を入れながら少しずつ改修を進めるか」という事です。これが大問題です。

一般的に言うと目先のコストはだましだまし運用する方が絶対に低コストになります。それはそうで全部作り直しのフルリニューアルになれば、初期にかなりの費用がかかるでしょう。しかし4、5年のレンジで見ると全く逆で、累積コストで見るとだましだまし手を入れた方がフルリニューアルより3倍~5倍、圧倒的に高くつく事になります。

何故かというと「プログラマーの経験値を訪ねる。」の節でも書きましたが、何をするにでも、既存の誰かが開発したWebサイトシステムは手探りの調査から始まります。このため最低でも3倍前後の手数がかかります。これは「ちょっとここ直してください」と依頼して、普通だったら1日で済むことが、三日かかる、という事なのです。そしてこういう「ちりつも」がかさむと、結果フルリニューアルした方が非常に安かった、という事になります。

以下細かく両者のメリット・デメリットを見て行きましょう。

全部フルリニューアルするメリット・デメリット

全部フルリニューアルのメリットは言うまでも無く、レガシーなシステムを廃棄して、新しい機能を強化したWebサイト・システムをリリース出来る事です。またそのシステム開発過程においては、既存の今動いているWebサイトが「生きた仕様書」として活用出来ることです。これはデカいです。何しろ大なり小なり希望の機能が目に見えて存在している訳ですから、発注主からすると、希望の仕様、意図を開発会社に極めて伝えやすくなります。「これが6,500万年前に絶滅したシーラカンスだよ」と化石を見るより、水族館で「これこれ!」の方が100倍伝わりやいのと一緒です。このため開発の失敗リスクは通常より遙かに低くなります。

また完成形のイメージがつきやすいので、初期の要件定義・設計の工数が激的に削減され、開発の速度も通常より遙かに速く(=低コスト)になるメリットがあります。

写真引用:ナショナル ジオグラフィック日本版サイト 南アフリカのソドワナ湾で泳ぐシーラカンス。長い間、絶滅したと思われていたが、19…

他方デメリットしてはすぐお分かりの通り、まとまった費用が発生するということです。またもう一つの問題は、既存のWebサイトを運営しながら、新規のWebサイトを横で開発する形になりますので、当然リニューアルされるまで、既存のWebサイト改修は行わないという事になります。それはそうで、廃棄することが決まっているWebサイトに新しく人手を投入して機能改善する意味はありません。という事は新規サイトがリニューアルされるまでは、最低限のバグの修理のみを行う形となり、その間新規機能のリリースは出来ない、という事になります。機会損失が起こる可能性がある訳です。

だましだまし運用するメリット・デメリット

だましだまし運用する最大のメリットは、目先大きな費用がかからない、という事です。また既にWebサイトがあって動いているわけですから、そこに新機能を追加していく事が出来、会員制サイトであれば会員へのサービスをタイムリーに充実させる事が出来ます。

そしてデメリットはトータルで見るとどえらいお金が掛かる、という事です。先の通り、3倍前後は「最低でも」工数が余計にかかりますから、その分累計で見ると、それだけ費用がかかる、という事です。この3倍は、良いWebシステム開発会社に巡り会うことが出来た幸運な場合です。1日で終わる内容が、ハズレプログラマーに当たったばっかりに1週間かかっても治らない、という事も現実的には起こりえます。基本的にちょっとしたこと、何をするにでも高く付く、という事は覚えておきましょう。

結論。結局は経営判断

この辺は事実としては上記の通りですが、どちらを選択するかはWebサイトのオーナーである御社の経験判断です。良い悪いではないと弊社では考えています。ただ、一般的には、弊社ではフルリニューアルをお薦めしています。その方が金額的には「お得」だからです。今までの経験値で言うと、比率的には半分半分、という感じです。フルリニューアルはしたいが上層部の許可が下りないのでだましだましで、というケースもありますし、経営者の判断でここは一気にリセットしよう!という場合もあります。

どちらのパターンで進めるにせよ、まずはよりよいWebシステム開発会社と巡り会うことが全ての大前提です。ここにもおりますので、お気軽にお問い合わせください↓。

 

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