実話 開発支援スタッフ物語「バックログの動画をGoogleドライブに引っ越す」
面接で良く「開発支援スタッフ」ってなんとなくはわかるのですが、具体的にはどのようなお仕事をするのですか、と聞かれることがしばしばあります。
そこで、こちらで小説仕立てでご紹介させて頂きます。
山田(仮名)は田中に声をかけられた。
「山田さん、ちょっといい?」
「はい」
「実は今Backlogを見ていたんだけど、思ったより容量を使ってるんだ。どうやら「トリテンTV」の動画ファイルでかなり容量を圧迫しているみたいなんだよ。それですまんけどGoogleドライブに移してくれない?あっちはスカスカだし。で、移した後、動画を制作してくれているパートナーさんに動画の格納場所が変わった事も連絡してくれますか?」
「わかりました」
Backlogとはオンラインで使えるプロジェクト管理ツールで、プロジェクトごと資料や予定などを管理共有出来るグループウエアのようなものである。
山田は前職は旅行代理店の営業支援業務をしていたが、Backlogは全く見たことも聞いたことが無かった。しかし特に違和感なくすぐに使いこなすことが出来た。
「トリテンTV」とは当社が運営している、Jリーグのクラブである大分トリニータの有料会員限定のWebメディアだ。企画からデザイン、システム全てを自社で運営しており、記事は外部のパートナーさんに執筆をお願いしている。
トリテンTVは週に1本のペースで、一ヶ月限定公開のムービーを掲載しているコーナーだ。普段なかなか見ることの出来ない、選手のオフショット的なインタビューが中心で、かなりの人気がある。
この業務フローは大体以下の通りになっている。
まずパートナーさんが動画を制作すると、Backlogにその動画を格納してもらい、同時に「課題」として希望公開日時を登録する。動画や課題はアップロードされると各担当者に自動的にメールで通知が届く仕組みになっている。
それを受けて山田がその動画の中身を念のため見て確認する。が、動画の内容は問題がない事がほとんどなので、山田が何も言わない限り、プログラマーの石山(仮名)がそのままAWSにあるシステムにその動画を登録し、一般ユーザー向けに公開処理を行う、という流れである。
山田はプログラマーではないので、AWSや動画をシステムに登録する仕組みは一切知らないが、守備範囲が違うので、業務には全く支障は無い。
山田はまずBacklogにログインした。「ああ、なるほど、確かに容量がちょっとまずいな」
そのままトリテンTVのプロジェクトページに移ると、格納してある動画を全部マウスで指定し、自分のPCにダウンロードしようとした。
「あれ?」
すると画面に見慣れない表示が出た。なんだろう、山田は目をこらした。
繰り返しになりますが、普段使っているホンモノのBacklogの画面です。本当にエラー出ています。
げげっ、なんと一回でダウンロードするファイルサイズには制限があるのか!
という事はこれ、2,3本ずつまとめて落とさないとならないんだな。Googleドライブなら別に一発で落とせるのにちょっと面倒だな・・・と思いつつ、山田は数回に分けて動画ファイルを全部PCに落とした。
「田中さん、動画全部backlogから落としたんですが、Googleドライブのどこに上げたらいいですか?」
「ああ、まだフォルダ掘ってなかったので任せるよ」
「あ、承知しました」
GoogleドライブはGoogleが運営しているオンラインのデータ保管サービスだ。会社でもアカウントを持っている。
山田はGoogleドライブにアクセすると「トリテン・・・TVっと」とまずフォルダを作成した。
そしてそこに先ほどPCにダウンロードした動画をマウスでつまんで一気にアップした。
その後Backlogから動画を全部削除して、無事容量を減らすことが出来た。
そのあと、山田はパートナーさんにチャットワークのチャットで連絡を入れた。普段の社内外のやりとりにはこのチャットワークを使っている。
「いつもお世話になっています。トリテンTVの動画の受け渡しの件だったのですが、容量がちょっと厳しくなってきまして、スカスカのGoogleドライブに移しました。以後、動画はそっちに上げて頂けますでしょうか。URLはこれになります。課題として登録するのは今まで通りBacklogで結構です」
「承知しましたー。いつも細々ありがとうございます!」
動画を制作してくれているパートナーさんはとても熱のある人で、この人と仕事をしていると、ついこちらも力が入って、何かあったときに最大限何とかしてあげようという気にさせてしまう人だ。そういう人と一緒に働いていると、自分が下手なことをすると突っ込まれてしまうという緊張感もあるが、他方とても気持ち良く仕事が出来る。こういう人はなかなかいないといつも思う。
田中に終わりました、と報告をすると、既に時刻はお昼近くになっていた。こういう細かい作業が午前中は多かったのであっという間だったな・・・どれ、一休みするか、山田は大好きな佐々木希ちゃんのサイトを見にそのままネットサーフィンするのだった。