有料コンテンツの課金収益を最大化するために-課金対象をどう切り分けて見せるか
先日、Webサイトにおいて、有料コンテンツ課金の歴史、市場がどう大きくなって来たのか、その中でドコモのspモード決済などのキャリア課金決済が非常に重要な役割を果たしてきたこと、キャリア課金に対応しないと、実質有料コンテンツ販売は成り立たない(アプリはのぞく)事をご説明しました。
そこで今回は、この有料コンテンツの課金ついて、収益を最大化するために、有料無料の切り分けをどしたらいいかについてご説明差し上げます。
目次
結論から最初に言うと、有料無料記事のユーザーへの見せ方は原則二つしかなく、その選び方にもルールがある。
結論から申し上げますと、有料課金コンテンツのサイトでの見せ方は基本二つしかなく、有料にしたい記事と無料記事との間の「属性の違い」や「価値の差」がどの程度大きいかで見せ方が変わる、という事です。他にも細々ありますが、それはこの組み合わせをアレンジしたものになります。
まず、記事コンテンツを有料化してユーザーに見せる際、有料と無料記事の分類は、当たり前ですが、より価値の高い記事は有利とし、そうではない記事は無料化とするのが基本です。
しかし、一般的に記事コンテンツをお持ちのコンテンツホルダーは、そんなに綺麗に記事の分類が出来る訳事はありません。多くの場合は有料記事と無料記事の境界線は微妙になる事が多いように思います。
他方、ユーザーへの有料記事コンテンツの提供方法は、大きく分けると以下の2パターンに分類されます。
1 特定のコーナー自体をまるごと有料化し、無料コーナーとはっきり分ける。
2 コーナーにかかわらず、記事や期間で有料無料化する。
以下説明していきます。
特定のコーナー自体をまるごと有料化し、無料コーナーとはっきり分ける。
1は極めてオーソドックスな有料無料の分け方です。例えば弊社でもう15年近くお手伝いしている釣り記事の有料コンテンツサイト「iつりしん」であれば、「お知らせ」はどの記事も無料ですが、「It’s Hot− 釣り場の今」は全部有料記事になっています。
コーナーによって無料有料がはっきりしているこの方式は、ユーザーから見てもわかりやすい切り分けになります。
コーナーにかかわらず、記事や期間で有料無料化する。
2の期間で分けるというのは、新聞社が良く行う方法です。つまり、基本コーナーを問わず、ほとんどの記事は無料で一定期間見る事が出来るが、時期が過ぎると全部有料記事になる、というものです。またこの方法は、有料への誘導を促すために、有料コーナで一部の記事を無料化するといった方法でも良く採用されます。
この方式の場合、一つ注意が必要なのは、ユーザーが読もうとして記事をクリックしたら有料だった、という事が頻発すると、ユーザーがイライラしてしまい、かえってユーザー離れを招きかねない、という事です。このため、このような課金方法の場合は、記事のタイトルに「¥」なり「Free」 なりピクト(アイコン)をつける事によってユーザーからの反発を抑えながら、シズル感を醸して有料会員を増やす、という配慮が極めて重要になってきます。
例えばこれまた弊社の例で言いますと、J1サッカーチームである大分トリニータの有料コンテンツサイト「トリテン」などがそれに当たります。
「戦う言葉」は基本有料コーナーですが、管理機能から記事単位で無料化する事が出来ます(正確な言い方をしますと、記事単位で有料無料の制御が可能です)。
つまるところ、記事によって「違い」がはっきりしていて、「価値の差」が大きいほど、コーナー単位での有料無料の区分とし、それほど記事間の「違い」「価値の差」が明確ではないのであれば、コーナー単位ではなく、記事単位又は期間単位での有料無料の区分とするのが収益を最大化するコツと言えるでしょう。
有料無料の中に、会員登録を混ぜる。
更に記事が無料から有料に遷移する間に、会員登録という概念を絡ませて、
(1)会員登録しなくてもずっと無料で読める
(2)会員登録した人だけが無料で読める
(3)会員登録したら一定期間は無料で読めるがやがて有料になる
(4)会員登録してかつ有料会員した場合だけ読める
というプローチを取るケースも最近は良く見られます。
有料課金コンテンツは「策士策に溺れる」と売上が逃げる
ここで一つ重要なのは、Webサイトにおける有料コンテンツの課金について、非常に重要なのは「策士策に溺れる」という事がないようにする、という事です。
どういう事かと言いますと、収益を最大化しようとするあまり、あれこれ複雑な仕掛けをいれようとすると、課金・料金体系が極めてわかりにくくなってしまい、結果的にユーザーが有料課金してくれなくなります。ユーザーが直感的に頭に入ってこない複雑な料金体系は、売上を最大化する上で最大の障壁になるので注意が必要です。これは特にWebサイトで有料課金のコンテンツ販売をした経験の無い企業に良く見られる現象です。
いかに有料課金をするか、というのは、そもそも命題自体が宿命的に非常に提供者側の論理、視点に立っていますので、いかにユーザー目線でわかりやすく、使いやすいサービス設計を心がけるかが重要です。気をつけないとすぐ提供者側の論理だらけに立ってしまい、結果とれるはずの売上をにがしてしまいますので注意が必要です。
ドコモのspモード決済、auかんたん決済等、キャリアの代行決済サービスを組み込んだ課金システムのWebシステム開発はお気軽にご相談下さい。
ご相談・お問い合わせする