【2024年版】会員制動画配信サイトを制作する方法
昨今、自社の運営するWebサイトに動画を掲載したい、限られた人にだけ動画を配信したい、というご相談、お問い合わせを受けることがかなり増えてきました。
「お菓子作りのセミナー動画を、ネットで受講させたい。」
「人が集まれないので、今年は学会をオンラインで開催したい」
「タレントの有料動画を、有料会員だけに見せたい。」
「塾で配っていた学習用DVDをネットで塾生だけに閲覧させたい。」
「資格取得のセミナー動画を、ネットで会員だけに見せたい。」
「スポーツクラブの有料コンテンツサイトで、有料会員だけに選手のオフショットインタビュー動画を掲載して見せたい。」
「工場での機械のメンテナンスをするにあたって、社員へ配布しているテキストマニュアルを動画でも作成して見せたい。」
etc …
そこで今回はWebサイトで会員にだけ動画の配信したい、という人向けに、そのサイト開発の方法とコストについて説明をしたいと思います。
目次
限られた人に動画配信するには、ストリーミング再生機能を持った動画配信サイトが必要。
まず限られた人に動画を配信したいという場合、会員制の動画配信サイトを創る必要があります。構成要素としては大きく二つに分けることが出来ます。動画を配信するストリーミング再生機能と、動画が掲載され閲覧する事が出来る動画配信サイトです。動画配信サイトはサイト全体の事を指し、会員管理や記事管理などを担います。
そしてこの動画配信サイトを作るには、二つのシステムの選択肢があります。以下ご説明いたします。
動画配信サイトの制作は二つの選択肢がある。
動画配信サイトを制作するには、以下の二つのうちのどちらかを選択する必要があります。
1 動画配信のASPサービスを利用する
2 自社開発で作る。その中でも動画配信(ストリーミング)部分は、
(1)vimeo等動画配信のASPを利用して作る。
(2)自社で作る
まず1の場合、動画配信の仕組みそのものを「借りて」作る方法で「使う」と言った方が適切かも知れません。自社で動画配信サイト(ホームページ)を制作する必要はありません。つまり楽天みたいなもので、利用契約をすると自分でネットショップを開けるように、ストリーミング機能付きの動画配信サイト事態をすぐに立ち上げる事が出来ます。
2の場合は普通に動画配信サイトを自社で制作する方法です。その中でも動画配信のストリーミング再生機能の部分を他のサービスを利用するか(例vimeoやYouTube)、自社で開発するかして作る方法によって大きく作りが変わります。ただし今回はYouTubeについては利用は出来ません。こちらをご覧下さい。
一般的には開発コストだけ見ると、2より1の方が断然圧倒的に安いです。既にあるASPサービスを使った方が断然時間もコストも節約できるのは言うまでもありません。
ところが、出来るだけ自社の要望に合わせて仕様や使い方を変えたい、という事になりますと、1より2の方が圧倒的に便利で比較になりません。以下詳しくメリットとデメリットをご説明します。
動画配信のASPサービスを利用する
昨今はいくつも動画配信のサービス(ASP)があります。これらのサービスの圧倒的に便利な点は、自前で開発するのと比べて、初期開発費用が一切かからない、桁違いに低コストで、すぐに利用出来る、というメリットが最大の売りです。例えばこんな料金体系になっています。そして結構いろんな周辺機能も充実しています。
そしてその裏返しとしてのデメリットが「融通が全く利かない」という事です。個々の企業の要望に合わせてカスタマイズをする、という事は一切やってもらえません。最近は動画配信ASPサービスも様々なオプションを用意するようになりました。その組み合わせによって御社の要望を満たせるものもあるかも知れません。いろいろと探してみて、自社に最適な動画配信クラウドサービスを使って下さい。ただしこの手のサービスは探すのも大変で、探しても「帯に短したすきに長し」になりがちではあります。しかし安いのですからそこは我慢しましょう。
代表的な動画配信のASPサービスを以下にまとめます。
動画配信システム「クラストリーム」
中小企業でも利用しやすいが、大企業も利用している。使いやすい。
動画配信システム【ミルビィ】 | 高品質低コスト・大規模配信
動画配信の老舗。ほどほどのコストで機能多数。とっつきやすく、中小企業でも利用しやすい。
Video Marketing Suite | ブライトコーブ
主に大企業向け配信に実績があります。
動画配信プラットフォーム「J-Stream Equipmedia」 | サービス | Jストリーム
CDNの老舗。高品質。大企業から中堅企業の利用が多い。
自社開発で作る
当然ですが、自社で独自の動画配信サイトを作る場合は、自分の好きなように作る事が出来ます。以前はホントの意味で「ケタ違い」の費用がかかり現実的なお話ではありませんでした。しかし最近はかなり低コストで開発が出来るようになってきており、弊社でもいくつも開発事例があります。
動画配信サイトにおいて、一番キモとなる部分は当然ですが動画配信、ストリーミング作成機能です。この機能は以下の二つの選択肢の中から選ぶ事になります。これはコストに決定的な違いを生みますのでどちらにするかは極めて重要です。
(1)vimeo等動画配信のASPを利用して作る。
動画配信という一番肝になる部分をvimeoというサービスに任せて、動画を埋め込む事で自社独自の動画配信サイトを作る方法です。vimeoは簡単に言うと法人用途専門YouTubeみたいなサービスです。この場合のメリットはコストを圧倒的に抑えられる、という事です。デメリットとしては利用ユーザー数がかなり増えてくると突然vimeoから「値上げします。払ってくれないのなら動画止めます」と言われてしまうことです。交渉の余地はありますが、いつ言ってくるかはvimeo次第という問題があり、ビジネスの安定性に課題があります。しかし、それほど利用者数が多くないのであれば、動画配信部分はvimeoを使って開発運営するのが一番良い選択肢です。
(2)自社で作る
こちらは動画配信部分も含めてすべて自社(システム開発会社に依頼する形ですが)で開発する方法です。昔と違って今はAWSを使うと、 多少語弊がありますがわかりやすく言うとあらかじめサーバで用意されている機能をパズルのように組み立てて作ることが出来ます(勿論個別につなぎ込みは必要です)。AWSを使う場合は、 MediaConvertや Lambda(ラムダ、と呼びます)といったソフトウエアを組み合わせる事で、非常に効率よくストリーミングサーバを立てる事が出来るようになりました。ちょっと技術的で難しいですが、例はこちら。
このいずれかのストリーミング機能を使って、動画配信サイトを作ることになります。
vimeoと自社でストリーミングサーバ開発、どっちが良いのか?
結論から言いますと、動画配信、ストリーミング機能については一般的には(1)vimeoを使うケースが多く、弊社でもそれをおすすめしています。動画を配信する上での便利な機能が標準で用意されていますので(例:動画を特定のサイト上でしか再生しないようにする等)、それを設定するだけでよく、開発の初期コストを抑えられるのが最大の魅力です。
ただし、vimeoの場合は使いすぎると前述した通り、突然値上げの通知が来ます。基本vimeoの言い値になります(交渉は可能ですが)。またその通知がいつ来るのかが分からないという怖さがあります。また英文でメールが届くため、うっかり見逃すとアカウント利用を凍結されてしまいます(解除は可能です)。そういうビジネス上の懸念がありますが、それでも再生回数が少なければ突然の値上はほとんど起こりません。それは困る、あるいはそもそも外部サービスに自社動画を置くのは好まない企業の場合は(2)自社でストリーミングサーバを立てる のが一般的です。ただし(2)の方が開発コストがかかりますのでよく考える必要があります。
一般的には、ストリーミング配信の規模が大きくなればなるほど、自社で管理した方が何かと良いです。そうではないのであれば、そのままvimeoを使うのがお得です。よくこの点でもご相談を頂いておりますので、お困りの方はこちらまでお気軽にご相談ください。
動画のストリーミング再生機能は分かった。では、その他に動画配信サイトにはどんな機能が必要なのか?
このように動画配信、ストリーミング再生機能は分かったと思います。ではその動画を配信・閲覧出来る会員制サイトには、どんな機能が必要なのでしょう。まず、動画配信サイトは、機能としては大きく以下の三つの機能から成り立っています。
1 記事管理(CMS)
2 会員管理
3 課金管理
一つ一つご説明します。
記事管理(CMS)
サイトに掲載する記事を管理する機能です。この場合、動画を表示再生するページも記事管理機能(CMS)で管理する事になります。記事管理システムは基本二択です。
(1)WordPress等、良くある既成のCMSを使う。
(2)専用のCMSを作って貰う。
ここは規模に応じて選択する必要があり、一般的には利用ユーザー数が少ないサイトは1で、利用ユーザー数が多いと2を使うのが良いでしょう。動画が100本以下、会員が千人以下であれば無条件で(1)のWordPressの利用で問題ありません。2より1の方が低コストで開発が可能ですが、機能の拡張性や処理速度、セキュリティに若干の不安が残ります。2は様々な点で1の出来合のCMSより優れていますが、開発コストが1よりかかります。
自社の予算や事業の成長性を考慮して、開発会社にご相談されて下さい。ただしシステム開発会社の多くは「言われたとおりに作ります」というスタンスのところが多く、相談してもあまりはっきりした答えを返してくれない会社が少なくありません。この場合は自社で考える事になりますが、かなり現実的ではありませんのでよろしければ弊社にご相談下さい。
会員管理
会員管理機能を開発するのは、1の記事管理(CMS)を何にするかによって変わりますが、大きく言うと2種類しかありません。
(1)記事管理システム(CMS)についている会員管理プラグインを利用する。
(2)専用の会員管理システムを作る
(1)の場合は例えばWordPressでお話をしますと「プラグイン」という機能があり、名前の通り好きな「機能」をWordPressにカチッと追加したり、外したりする事が出来ます。「プラグイン」にはWordPressに公式に認められたプラグインと、野良(非公認)のプラグインがあります。一般的には公式プラグインの方が信頼性が高いと言われていますが、「野良」が一律悪い訳ではなく、「野良」の中にもかなりクオリティの高いものがありますので、あくまで「一般的な傾向」という程度で理解してください。このプラグインを使うメリットは無料又は少額の費用を払うだけで、会員管理機能をカチっとすぐ組み込むことが出来る点です。その裏返しとしてですが、自社の希望にぴったり合った「会員管理プラグイン」はほぼありません。あったとしても英語版だったり、探すのに膨大な時間と検証作業が発生します。しかし頑張って探せばみつかるかも知れません。
(2)の場合は希望の仕様に合わせて自由に作る事が出来ますが、その裏返しとして(1)より費用がかかります。専用の会員管理システムはCMSを選びませんので、当然CMSがWordPressだといしても適用する事が出来ます。この場合はWordPressのプラグインとしてというよりは、WordPressの外側に組み込む形となります。逆に(2)の場合はWordPressのようなCMSの外側で機能を実装することによって、CMSの仕様に引きずられないというのが最大のメリットです。
会員管理の仕組みは通常管理機能側で制御します。主に必要な機能は以下の通りで会員数や予算規模から取捨選択する形となります。
1)会員検索機能
フリーキーワード検索
メールアドレス検索
会員コース検索
これらの複合検索
2)会員リストダウンロード
1)で検索した結果をCSVファイルやエクセルファイルでダウンロードする機能です。
3)会員詳細確認・ステータス変更・削除機能
会員の詳細を把握し、会員権限を一次停止とかステータスが変更出来たり、会員から削除する機能です。
4)ダッシュボード
毎日の新規登録者者数や退会者数、動画閲覧数ランキングなど、会員制動画配信サイトの運営者が経営上見たい各種統計データを表示します。
課金管理
課金管理とは、クレジットカード代行決済会社との課金システムと連携して、会員にお支払いをしていただく機能です。お支払いをする際は2の会員管理と連携して動くことになりますので、有料で会員制動画配信サイトを運営するのであれば、課金管理と会員管理は必ずセットで作る事になります。勿論無料の動画会員サイトの場合は課金管理は必要ありません。
クレジット代行決済会社は大きく言いますと
(1)VISAもAMEXもPayPayでもSuicaでもコンビニ払いでももとにかく何でも使えます!
(2)クレカしか使えん
という2種類の会社があり、そのどちらかを選択する事となります。
当然ですが(1)の方があれこれ月の維持費と利用料(別物です)がかかり、(2)より高くつくことになります。(2)の方はクレカ決済しかない分、大変低コストの利用料になっています。クレジットカード代行決済会社の代表例は前者であればソニーペイメントサービスだったり、GMOペイメントゲートウエイがあり、後者の代表例はpay.jpです。弊社ではどちらのパターンでも開発実績がありますが、それらの代理店にはなっていません。理由はこちらをご覧下さい。
どちらもCMSに組み込んで利用する形となります。
動画配信サイトにかかるコスト
次に、会員制動画配信サイトについて、コストの観点から見ていきましょう。基本的には初期の制作コストと毎月のランニングコスト、二つに大別する事が出来ます。
1 初期開発コスト
(1)動画配信ASP会社に依頼する場合
(2)システム開発会社に依頼する場合
2 毎月のランニングコスト
(1)動画配信のASP会社に依頼するのなら→A ASPサービス会社に支払うシステムの利用料金
(2)システム開発会社に依頼する場合 →B システム開発会社に支払うシステム保守費用 + C サーバ会社に支払う利用料金
(3)有料課金サイトを運営するのなら、クレジットカード代行決済会社の利用料金
以下、会員制動画配信サイトの構築方法によってコストがどうなるのかを御説明します。
初期開発コスト
初期開発コストは、簡単に言いますとASP会社のサービスを利用する場合と、システム開発会社に依頼する場合とで天と地ほどの金額差になります。見ていきましょう。
まずは「(1)動画配信ASP会社に依頼する場合」ですがこれはいわゆるパッケージ、サイト全体を「ありもの」を利用する形になります。カンタンに言うと楽天に出店するようなイメージです。このため時前で作る必要が無く、かなりコストを抑えることが出来ます。初期設定コストとして数万円~10万円程度で済みます(場合によっては無料も)。圧倒的に安いのが特徴です。勿論動画を配信するシステムと、閲覧出来るホームページ両方がセットで提供されます。安い代わりに基本的に融通(カスタマイズ)は一切利きません。
「(2)システム開発会社に依頼する場合」は当然ですが御社の仕様に合わせて作り込む形ですので、初期開発費用がかかってきます。費用感的には数百万円から高いと数千万円という規模感になります。
毎月のランニングコスト
毎月のランニングコストは1の初期開発コスト、つまり動画配信サイトをどのように開発するかでほぼ決まります。まず、(1)ASPサービスを使うのなら「A ASPサービス会社に支払うシステムの利用料金」のみです。
(2)のシステム開発会社に依頼するとなると、「B システム開発会社に支払うシステム保守費用」と「C サーバ会社に支払う利用料金」とがかかってきます。「B システム開発会社に支払うシステム保守費用 」は大体相場的に初期費用の10%~20%が一年間でかかる費用となるのがシステム業界的な相場です。弊社の場合ですと、通常15%でお出ししています。つまり、初期開発コストが300万円の動画配信サイトがあったとすると、システム開発会社に支払うシステム保守費用が年間30万円~60万円、月にならすと25,000円~50,000円になる事が一般的という事になります。ちなみに保守契約の中身はこちらの記事が参考になると思います。
「C サーバ会社に支払う利用料金」はサーバの利用料の実費です。大きく分けると更に従量課金と固定課金の2種類に分かれます。これは「使った分だけ払って頂ければいいですよ」というのが従量課金であり、「いくら使っても月額ウン万円ぽっきりですよ」というのが固定課金です。
実は動画を流すサーバの利用料金に「固定課金方式」は無い。それは嘘。
ランニングコストで一つ注意が必要なのは、サーバの利用料金です。毎月のランニングコストは一定の「固定課金」を謳っているところがかなりありますが、実際はほとんどの場合はよくよく利用規約を見ると「従量課金」になっています。これは一定額の利用範囲内において利用料金が固定、という意味なのです。「固定料金で流したい放題!」というサービスはよく見ると「ただし月額データ配信量が100GBまで」と言う制限がついていたり、「同時接続者数は50名まで」となっており、事実上の階段型の従量課金型料金体系に過ぎません。
また、レンタルサーバ会社を使う場合は、一定以上の動画を配信した場合(つまりアクセス数が一定値を超えた場合)、別のプランに変更して欲しいと言う要請(という名の強制)がレンタルサーバ会社から来ます。場合によってはその間サイトを止められるリスクもあります(実際の事例があります)。これはさくらのレンタルサーバでもエックスサーバーでも例外はありません。基本的に天井知らずで動画をじゃぶじゃぶ流し放題で月額固定はあり得ない、と覚えておいて下さい。
(3)有料課金サイトを運営するのなら、クレジットカード代行決済会社の利用料金については、大体月数千円の基本料金、そして1取引あたりいくら(1トランザクジョンと言ったりします)、更に1取引の金額に対して数%とかかるのが普通です。課金管理でも書きましたが、コストを抑えたいのなら、pay.jpのような決済手段はクレジットカードのみの方が良く、いろんな決済手段を取りそろえたいのなら大手のクレカ代行決済会社と契約されてください。
動画配信サイトを構築するサーバの選択
サーバはクラウド一択です。他はあり得ません(ただし動画配信ASPサービスを利用する場合は既にサーバはセットになっているため、ご自身では選べません)。その理由を以下ご説明します。
レンタルサーバは何かあると止められてしまうリスクがある。
動画配信サイトを立ち上げて運営を開始すると、場合によってはものすごいアクセスが集中してしまう場合があります。その時、クラウドであれば管理画面からの操作でスペックの大きなサーバにすぐに切り替えることが出来ます。しかし、他のレンタルサーバは一切そういう事が出来ない、つまり逃げ場がありません。サーバのメモリやCPUを挙げるためには、今契約しているレンタルサーバを解約し、新規に別のレンタルサーバに契約し直す必要があります。つまり目先のアクセス数の増加に対してすぐに打てる手は何一つありません。
そしてその場合、ほぼ100%の確率でレンタルサーバー会社からサイト自体をまるごと止められてしまい、契約コースの変更を求められます。そうなると当然ですがその間その会員制動画配信サイトは見えなくなります。これはさくらのレンタルサーバだろうとエックスサーバであろうと全く同じです。
なぜそういう事になるかと言いますと、これはレンタルサーバ会社のビジネスモデルのためです。月数千円程度の低コストのレンタルサーバでは、一台のサーバにできるだけ多くの顧客のサーバ(ドメイン)を格納する形式になっています。いわば「長屋」もしくは「集合団地」の状態です。このためそのうちの1社に猛烈なアクセスが集まったり、動画を沢山流してしまうと、サーバ自体のCPUの稼働など負荷が上がってしまい、結果的に他のお客様のWebサイトが表示されなくなってしまうためです。こうなると問題児扱いですね。なので長屋から出てってくれ(もっと良いところ借りてくれ)、と言う訳です。
ところが契約コースを変更する、というのはサーバにシステムを載せ替える、引っ越す作業になります。これが意外とかなり高くつきます。簡単にコピペ、という訳にはいかない事がほとんどなのです。下手をすると初期開発した時とあまり変わらないコストがかかる場合もありますし、場合によっては作り直しになる事もあり得ます。当然時間もかかりますし、その間サイトは止められたまま、という事になってしまいますのでビジネス的には大打撃になる可能性が高いです。なので動画を配信する場合はサーバをクラウドサービスを使う事が大原則なのです。勿論短時間なら落ちてもいい、という割り切りであれば、レンタルサーバでも大丈夫です。しかし、その場合でも、普通の安いレンタルサーバではなく、出来れば例えばさくらであればVPSなどの少し上のスペックのサーバを選びましょう。
ビジネスの安定性を考えるならクラウド意外あり得ない。
動画配信サイトを将来の事業の大事な柱として考えている、ある程度大きな収益を見込んでいる、という事であればクラウド(ほとんどの場合AWSを指します)意外あり得ません。先に書いたとおりレンタルサーバが集合住宅、団地だとするなら、クラウドは敷地の大きな一軒家です。後から増改築も思いのままです。
クラウドは規模が大きくなってくると、ちょっとサイトが止まっただけでもそれなりに収益に大きなダメージが起こりえますし、先に書いたようにサーバにシステムを載せ替えるのは想像以上に時間とコストがかかります。であるならば最初からクラウド(AWS)を利用するのが無難と言えるでしょう。例えばAmazonのAWS EC2という仮想サーバの場合ですと、このような価格体系になっています。
サーバ提案はWeb制作・ホームページ制作会社の力量を推し量るリトマス試験紙になる。
また会員制動画配信サイトを制作する場合、ASPを使わない限り、どこかのWeb制作会社・ホームページ制作会社に依頼する事になります。その際、サーバについて何を使うのか、どうしてそれが良いのか、という事を開発会社に提案、説明させる事によって、その会社の会員制動画配信サイトの開発の力量を見極めることが出来ます。まずろくに話も聞かずにさくらのレンタルサーバとかを提案してくる開発会社の場合は「相当ヤバい」と思って頂いて間違いありません。そういう所には依頼しない方が無難です。
ビジネスは規模が大きくなればなるほど、1日サイトが止まっただけで大きな売上が失われてしまいます。まともな開発能力のある会社であれば、提案して欲しいと言われた際に、想定している売上規模や、ユーザー数、アクセス数といったもの聞いた上で、最適な提案をしてきます。開発会社に質問をして、その開発会社の力量をしっかり見極めて下さい。ご心配の点があればお気軽にご相談ください。
動画配信システムを構築する会社を選ぶコツ-システム開発会社選びでプロジェクトの7割は決まる。
自社独自で動画を配信するには、ほとんどの場合、Webシステム開発会社に開発して貰う事になります。この場合、非常に大事な事はたった一つしかありません。それは、
「動画配信サイトの開発実績のある会社に依頼する」
という事です。あまりに重要なことなので繰り返します。
「動画配信サイトの開発実績のある会社に依頼する」
です。この記事で、これだけ覚えて頂いてもOKです。「ホームページ制作会社だから大丈夫だろう」と油断せず、必ず聞いて下さい。「ホームページ制作会社」でもプログラマーのいない買う者は沢山ありますし(むしろその方が多いかもしれません)、Webシステム開発会社でも動画配信部分は開発経験の無い会社も少なくありません。それだけ動画配信は専門性の高いシステムなのです。
動画配信のシステムは経験が非常に重要であり、同じ事をしても、経験があれば1日で済む事も経験が無ければ3日4日かかることもざらです。つまり、「開発コストが3倍4倍」かかるということであり、それはあなたの負担するコストにモロに跳ね返ってきます。また問題が起きたとき、原因を突き止め、解決するのは高度な技術力と経験が要求されます。これは他のWebシステムより特に顕著な傾向です。なので、自社で動画を配信するシステムを開発する場合は、まず前提として実績のある開発会社を選んで下さい。適切な開発会社を選ぶ、これだけでプロジェクト成功の7割は決まると言っても過言ではありません。