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日本内科学会のLIVE視聴配信システムはなぜ落ちたのか

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日本内科学会のLIVE視聴配信システムはなぜ落ちたのか

最終更新日:2020/10/04   公開日:2020/08/12

8月9日頃終日、日本内科学会のLIVE視聴配信が落ちていました。

結果ほとんどの学会参加の内科医がLIVEを視聴出来なかったようです。

たまたまリアルタイムでこの件を知りました。当然中の人ではありませんので、詳しい事情はわかりませんが、外からURL等を見た範囲で気づいた頃をご説明します。まずAWSを利用していますが、CloudFront(CDN)を一切使わず、ALBからパワーのあるサーバを並列処理でしのごうとしていたような形跡が見て取れます。ALBとはロードバランサーで、簡単に言いますと、集まってくるアクセスに対して、手の空いているサーバにアクセスを振りわける機能を持っています。

 

大規模なユーザーが視聴するストリーミングサイトでは、CloudFrontのようなCDN(コンテンツネットワーク配信システム)を使わずに動画等のコンテンツを配信するのはおよそかなり珍しいケースで、もし本当なら落ちるのは無理もありません。

CloudFrontというのはこれまた簡単に言いますと、重いコンテンツを配信するために用意されたネットワーク上の「高速道路」のようなものです。動画配信サイトなどではかなりの高確率で裏でこの仕組みを動かしており、そうする事によってユーザーはストレス無く動画を楽しむことが出来ます。今回はそれが組まれていなったような形跡がURLから見てとれました(常識的にはそういう判断ですが、本当のところは中の人しかわかりません)。

また、視聴配信サーバが落ちている間、ずっと「504 Gateway Time-out」というサーバでの自動メッセージを出しっぱなしにしていましたが、これも混乱(アクセス数の増加)に拍車をかけた一因と思われます。この様なメッセージを出しっぱなしにしておくと、「あれ、何で見えないんだ?」閲覧者(ここでは内科医さん)が繰り返しリロードをかけてしまうため、それでなくてもアクセス数を裁ききれないのに、更にアクセス集中に拍車をかけてしまうからです。こういう場合は、すぐに「只今アクセスが大変収集しております。しばらく経ってからアクセスをお願いいたします」というメッセージを出して、無駄なアクセス集中を防ぐのがセオリーです。

結局終日サーバは落ちたままで、後で内科学会より以下の様なアナウンスがありました。

日経コンピュータの連載「動かないコンピュータ」に出てきそうな規模のお話しです。同時接続数まではわかりませんが、日本内科学会は会員数が約11万人いる、日本屈指の学会です。当然千単位万単位の同時接続者数は想像がつきやすいと思いますので、期間なのか予算なのか仕様のしばりなのか、外部から見ている限りではありますが、どうしてCDNを使わなかった?(or使っていたけど別の要因?)等、今後秋から冬にかけて同様のイベントを予定している企業、団体は多いと思われますので、大変原因が気になる出来事だと思います。

 

 

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