「Official髭男dism ONLINE LIVE」のサーバダウンから学ぶ教訓
実は弊社スタッフもリアルタイムにチケット買って観賞していたのですが、「Official髭男dism ONLINE LIVE」で ライブ中継が一部遅延、ライブで視聴出来なかった人がかなり出たようです。
「Official髭男dism ONLINE LIVE」
LINE LIVE-VIEWINGでチケットご購入の方にご案内致します。システムトラブルにより、生配信が開始できない状況となっております。多大なるご迷惑をおかけ致しまして誠に申し訳ございません。
別URLでの視聴をご案内致しますので、今しばらくお待ち下さいませ。
— LINE LIVE(ラインライブ)公式 (@LINELIVE_JP) September 26, 2020
人気アーティストのライブ配信は爆発的なアクセス数を誘発しますので、何かと制御が難しいのは言うまでもありません。また、今回の場合は動画配信トラフィックに絶えられなかったのではなく、ライブ配信直前にチケットを購入するお客様が沢山いたのが一因のようです。
実はECサイトは、ユーザーのセッション管理が必要なため、普通のホームページへのアクセスより、サーバに負荷がかかりやすい、という傾向があります。
また、今年に入ってから、7月12日星野源のオンラインライブで10万人が集まりましたが、配信品質に問題があり、ちょっとした騒ぎになっていたようです。
星野源のオンラインライブ。zaikoのホームページにアクセスすると502エラーが頻発。
リクエスト出しまくったらうまくアクセスできたけど現時点でサーバ耐え切れてないですね。#駆け出しエンジニアと繋がりたい#現役エンジニアと繋がりたい— whatsup_radio_jp@外資サラリーマン2名によるラジオ (@jp_whatsup) July 12, 2020
他方、それに先立つ事6月12日、サザンオールスターズが同じくオンラインライブを行いました。こちらの参加者は17万人。星野源より多い数字でしたが、大きなトラブルも無く終わりました。
どうしてサザンは問題が無かったかと言いますと、これは簡単に言いますと配信するプラットフォームの数の差です。
星野源は「ZAIKO」という電子チケット販売とセットになったオンライン配信サービス「だけ」を使っていました。
これに対してサザンオールスターズはGYAO!やU-NEXTなど、複数の有料動画配信サービスで動画を配信しました。このリスクヘッジが明暗を分けたようです。
とはいえ、これはZAIKOという動画配信プラットフォームが他社と比較して決して脆弱だという事を意味するわけでは全くありません。むしろ他の動画配信プラットフォーマーも、いっきに人が集まり、チケットを買ったりすれば、似たり寄ったりの結果になっていたのではないかと推察します。結局大事なのは、配信プラットフォームを分散する事でしょう。
ただし、人気アーティストのような大規模ライブ配信であれば、このような形で複数の動画配信プラットフォームを使い分ける事が出来ます。しかし、普通の企業の催し物や、学会、展示会などでは、いちいちそんな事はしていられませんし何十万にも集まる規模でもありません。
では数万以下のアクセスの場合、どうしたらいいのでしょう。
弊社でお薦めしていますのは、予め「逃げ道」を事前に用意しておく、というものです。
例えば基本的な動画廃止Webサイトのバックエンドでvimeoを使い、いざというときはAWSでCloudoFronrtでストリーミング配信をする。これだと万が一の場合も柔軟な対応が可能です。最近はvimeoも希に混雑しているというお話しもでています。同時に複数の方法で配信するのは、一般企業にとっては負担感が大きいですが、何かあったときのためのバックアップを用意する、というのは大事な事ではないかと思います。
また以前行った案で、普段はCDNで動画を配信し、アクセスが増えて配信コストが増えた場合は自動的にYouTubeに配信を切り替える、という仕組みもご提案し、実装しています。これは長崎放送様等などで導入頂きました。
間もなくコストを抑えたWordPress + vimeo + 会員管理 パッケージをリリース予定です。一部ご提供を既に開始していますが、ご関心のある方はお気軽にお問い合わせ下さい。