ノベライズドフィクション「会員制動画配信サイトで法人管理機能？」Vol.2
最終更新日:2023/11/29 公開日:2021/07/14
田中が口を開いた。
「まず、通常の商談で病院と契約しますよね。」
「はい。」
「そうしたらまず御社は【法人顧客管理画面】にログインして頂きます。そこで新規に利用する医療法人、病院名や運用責任者のお名前とメールアドレスを登録します」
「なるほど」
「そうすると、後はこの病院の管理責任者のメールアドレス宛に、管理機能のURLとアカウントが自動で送信されます。後はその責任者の方が、必要な医療スタッフの登録を管理機能からしていただければOKになります。」
田中はもう一枚、ホワイトボードに別の絵を描いた。相変わらず象形文字みたいな字だが読めなくは無い。
吉田が大きくうなずいた。「なるほど、確かにこれならうちは医療法人と責任者さえ登録してしまえば、後は手間もかかりませんね。ただ、契約内容によっては当然一人しか利用できなかったり、100人が利用する場合もあります。医療法人側で勝手に契約上限を超えたユーザー登録をされてしまうと困るのですが・・・そういう場合はどうなるのでしょう？」
「ご安心ください、御社が法人管理画面で医療法人を最初に登録する際、利用ユーザー数の上限も同時に登録するのです。そうすると、法人管理者が社員を契約上限以上登録しようとすると、警告メッセージが出る形とすればいいのです。例えば
登録社員数が契約上限を超えました。これ以上ご登録する場合は他の社員を削除して利用者数を調整するか、新しい上限数のご契約をお願いします。義希望の方は弊社までお問い合わせください
みたいなメッセージですね。
吉田は思わずうなずいた。「なるほど！これなら便利で手間いらずですね！ん、でも待てよ・・・」
「どうかされました？」
「確かにこれは便利な機能です。しかし、病院によっては、最初のユーザー登録が100名とかになると、面倒だらそっちでやってくれないか、と言われしまう場合もあると思うんです。そうなるとその100人はこちらで登録しないといけない事になるのですが、その場合はどうした良いのでしょう？かなり面倒な作業になってしまうと思うのですが・・・」
田中はそこも想定済みとうなずきながら答えた。
「当然お客様によっては、面倒だからそっちでやってよ、というところも出てくると思います。でもご安心下さい、そこも当然考慮済みです。御社もその医療法人管理者として登録出来る用にすればいいのです。そうすれば御社も同じ管理画面を使える事になります」
五百旗頭はうなずいた。「おおなるほど、そうやって代わりに操作して上げれば良いのですね」
「はい、そうです」
「ありがとうございます。ただ、管理画面にログインした後、100人を一人一人登録する事になるのですよね。それ、ちょっとかなり大変だなぁ・・・」
田中は満を持してドヤ顔で説明した。
「ご安心下さい。動画配信サイトの利用者が100名を超える場合があるというのも当然お聞きしていますので、仕様的にも考えてあります。こちらの管理画面にCSV登録というボタンがあるが見えますでしょうか。」
「ありますね」
「ここを押すと、名前とメールアドレスのリストをアップロードすることが出来ます。そこで何百人もの社員を一括で登録することが出来ます。これがCSVサンプルです。今送りますね」
中田がzoomのチャット画面からcsvファイルを吉田に送った。
「中田さん、ありがとうございました。受け取りました。なるほど、これを病院から受け取ればいいのですね。」
「はい、その通りです。勿論通常のフローで一人一人の追加・修正・削除も管理画面から可能です。代行で社員を登録してほしいという医療法人でも、ユーザーリストくらいは送っていただけるでしょうから、この機能があれば簡単に御社で対応が可能で、いちいち100人100回個別に登録する必要はありません。勿論医療機関の責任者も同様の処理がご自身で行えます」
「なるほど、これならカンタンです。それで今CSVの中身を見ると、名前とメールアドレスしかないのですが、病院によっては部署名も表記したいので、と言われる場合もあると思うのですが、項目の追加は大丈夫なんでしょうか？」
「勿論大丈夫です」
「それはありがたいですね」
「また、お客様からのメールリストが万が一の誤入力の可能性もあると思います。そこで、頂いたCSVを管理画面から投入した時に、そのメールアドレス宛に、認証URL付きのメールをお送りした方がいいでしょう。メールをもらった職員がそのURLをクリックすれば、そのメールアドレスは間違いないということになりますし、そこで初めて会員制動画サイトを利用できるようにします。ここまでチェックすれば大丈夫だと思います。」
「もしその認証を面倒だからと医療法人に言われたらどうしましょう？」
中田は何のためらいもなく応えた「そこは仕様的には誤差です。それに今回のWebシステム開発は、パッケージ販売ではありませんので、仕様的にはどうにでもなりますから外せばいいだけです」
これは心強い、と吉田は思った。かなり先回りして仕様を提案してくれる。他方、至れり尽くせりだが、もう一つの懸念がすぐに浮かんできた。吉田は恐る恐る中田に尋ねた。
「中田さん、かなり気の利いた形で開発していただけるのは分かりました。ただ、一点ちょっと心配なのですが、、、価格的にはどういう感じになるでしょう？結構な額になってしまうのかなとちょっと心配なのですが・・・」
続く（そのうちに何とか。。）
